10月13日。前星組トップスター・紅ゆずるさんが退団してから数週間が経とうとしています。
紅さんは、普段の舞台姿はもちろんのこと、サヨナラショーや千秋楽の挨拶から、宝塚を心から愛していらっしゃるのが伝わるトップさんでした。
松竹エンタテインメントに所属され、女優として新たなスタートを切った紅さん。もちろん第二の人生も応援しています。でも、でも…。もう少しだけ男役・紅ゆずるに浸りたいと思います。
千秋楽を実際に見ることのできた方は思い出しながら、見ることのできなかった方は想像しながらこの記事をお読みいただければと思います。
宝塚大劇場の千秋楽(2019年8月19日)
『スカーレット ピンパーネル』を中心としたサヨナラショー
紅さんが、ご自身でも思い出深いと言っていた『スカーレット ピンパーネル』を中心とした内容でした。特に、紅さんと綺咲さんの2人で歌った「あなたこそ我が家」では、白い衣装に身を包み、退団なのにまるで結婚式のようで涙が溢れてきました。
幸せそうに見つめ合って歌う姿からは、お披露目公演の時よりも溢れ出る感情が見えて、これまで2人で歩んで来られた集大成なんだなぁとしみじみしました。
綺咲愛里さんへの愛がいっぱい詰まった挨拶
大階段を降りて紅さんが挨拶をする場面では、涙を流しながら話しているのに、所々クスッと笑いが出てしまうような紅さんらしい挨拶でした。
アンコールの拍手が鳴り止まない中、紅さんと綺咲さんの2人が並ばれている時には「本当に相手役があーちゃんでよかった!」と相手役冥利に尽きるような最高の言葉を掛けていたのも印象的でした。
見ているこちらまで涙が流れましたし、綺咲さんがたまらず泣き出すのを見てさらにこちらも泣く…という感動のシーンもありました。
そして、綺咲さんを抱き寄せるのですが、「こんなに重いのに片手で持ってるし」と手に抱えたお花について自分で突っ込んで客席を笑わせる紅さんは、最後までエンターテイメント精神に溢れていました。
東京宝塚大劇場の千秋楽(2019年10月13日)
最後のデュエットダンスで、綺咲さんへの「ありがとう」
ショーの最後にあるデュエットダンスでは、私の長い宝塚ファン生活でも見たことがないシーンを見ることができました。
デュエットダンスの終盤、銀橋の真ん中で最後のポーズを取る時に、紅さんは綺咲さんを見つめながら「ありがとう」と言われたのです!もちろん綺咲さんは驚いた様子でしたが、幸せそうに微笑みながら涙を流していました。見ているこちらまで幸せになれる本当に素敵なシーンでした。
宝塚を愛し続けた紅さんらしい宝塚愛溢れる挨拶
タカラジェンヌとして最後の挨拶をする紅さんは、本当に清々しいお顔で、幸せそうに感謝の言葉を述べていました。
そしてなんと、小林一三先生に「宝塚を作ってくれた小林一三先生、本当にありがとうございました!」とお礼を言ったのです。
専科の汝鳥伶さんから「これまで一三先生にお礼を言った人はいなかった」と突っ込まれ、最後まで紅さんらしさ溢れるご挨拶でした。
ちなみに、サヨナラショーにももちろん「紅子」が登場しました。最後まで面白おかしくみんなの笑いを取りつつ、次のトップである礼真琴さんについて「顔とハスキーボイスのギャップがたまらない!」と触れてくれる紅さんに、「次の星組も応援よろしくね」という責任と愛情、優しさを感じました。
最後まで全身全霊で宝塚を愛し続けた紅さんはファンの心にいつまでも残る素敵なトップスター
紅ゆずるという人は、本当に宝塚を愛していることが伝わるトップスターでした。
もちろん他のタカラジェンヌも宝塚を愛していらっしゃると思いますが、紅さんほど全身から宝塚愛が伝わってくる方はいなかったような気がします。
そして、宝塚を愛し続けた紅さんから、相手役として愛された綺咲さん。綺咲さんも本当に紅さんを想っていて、見ているこちらまで幸せにしてくれる素敵なトップコンビでした。
紅さんの人柄、そして宝塚への愛が紅ゆずるをファンの心に残る最高のトップスターにしたのだろうと感じた素敵な千秋楽でした。
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