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宝塚のショーはまずこれを見て!【2018・2019年編】

宝塚では、お芝居とショーを1本ずつ組み合わせた2本立てが、1つの公演の基本構成となっています。

ショーは楽しいけれど見慣れていないと次にどれを見たらいいのか、どれがおすすめ作品なのか、ちょっとわかりづらいと感じたことはないでしょうか?

また、「ベルサイユのばら」「スカーレットピンパーネル」など1本物は見たことがあるけれど、ショーってどんなもの?という方もいることでしょう。

今回は、2018~2019年に上演されたショーに絞って、各組ごとのおすすめのショーをご紹介します。

花組 Beautiful Garden -百花繚乱-

公演年 2018年
主な出演者 明日海りお・仙名彩世・柚香光

花男に夢中!なら要チェック

花男とは、ヒットドラマ「花より男子」の略ではなく、「花組の男役」の略。「はなだん」ではなく、「はなおとこ」と読みます。とにかくキザでカッコイイ花組の男役を満喫したいなら、このショーは外せません。

幕開きから花男の主要陣が登場する贅沢な構成。2019年10月現在、次期トップスターが確定している柚香光さんをはじめ、瀬戸かずやさん、飛龍つかささんが魅せてくれます。

また、多数の男役さんが一糸乱れぬダンスを披露する「群舞」はショーの終盤、クライマックスに組み込まれていることが多いもの。

しかしこのショーでは、群舞さえ幕開きから間もない頃に組み込まれています。宝塚のファンが「見どころ!」と思う要素が、怒涛のように押し寄せるショーです。

もちろん、見どころは前半だけではありません。トップスター・明日海りおさんが闘牛士に扮するドラマチックなシーンもあれば、若手花男をクローズアップしたシーンも。

花男大好きだから、いろんな花男の表情を見たい!という方はぜひ、一瞬たりとも見逃さずにチェックしてください。

「宝塚っていいよ!」と誰かにすすめたいあなたにも

ショーには「中詰」と呼ばれる場面があります。ちょうど、ショーの全体時間の中ほどで、多くの出演者が舞台に集まって盛り上がるシーンをこう呼ぶのです。

「Beautiful Garden」の中詰は、オーソドックスなショーに比べるとちょっと異色。TUBEやT.M.Revolutionなど、ちょっと懐かしいJ-popが次々に披露されます

宝塚に興味はあるけれど、とっつきづらいと思っている方に「オーソドックスな宝塚はこうだけど、こんなシーンもあるんだよ!」とお話しながら見るのにも適したショーなのです。

身近な誰かに宝塚をすすめたいけれど、どれがいいかと迷っているのであれば、まずはご自身がこのショーをチェックしてから、おすすめに使ってみてはいかがでしょう。

月組 BADDY(バッディ)-悪党(ヤツ)は月からやって来る-

公演年 2018年
主な出演者 珠城りょう・愛希れいか・美弥るりか

思い切り笑いたいならコレ!

月からやってきた悪党バッディ(珠城さん)と、地球の平和を守る凄腕の女捜査官グッディ(愛希さん)の攻防がテーマのショー。

テーマだけ見るとハードボイルドなドラマのショーにも思えてきますが、違います。コミカルで笑いをこらえきれない、いや笑わなければ損なショーといえるでしょう。

もちろん、ショーですからカッコよさ重視の場面もあります。このショーでは群舞はもちろん、フレッシュさを前面に押し出すことが多いラインダンスもカッコよさが光る仕上がり。

トップスターとトップ娘役が2人で踊るショーの見せ場の1つ、デュエットダンスも、このショーでは大人っぽい仕上がりになっています。

しかし、キャラクターの設定やストーリー展開がとにかくコミカル。特に当時の2番手を担っていた美弥るりかさんは意外や意外、珠城さんの恋人役を演じているのです。

その設定だけでも笑えるのに、自分が可愛くって仕方ないというキャラクターを堂々と演じ切って客席を笑いに引き込んでいます。

もちろん、他のキャラクターにも笑いの要素が満載。トップスターである珠城さんの、風変わりな開演アナウンスも聞き逃せません。

最近笑ってないなと思った時や、嫌なことは笑い飛ばしたいと思う夜に、おすすめする1本です。

ストーリー仕立てのショーの魅力満載!

オーソドックスなショーは、場面ごとにストーリーが全く異なります。お芝居とは全く違う仕立てになっているのが特徴です。

1粒で何度もおいしい、様々なタカラジェンヌの魅力が味わえることがオーソドックスなショーの醍醐味といえるでしょう。

しかし、「BADDY」のようにストーリー仕立てのショーも時々上演されます。

トップスターさんやトップ娘役さん以下、注目のスターさんには「通し役」と呼ばれる役名が付き、お芝居のように1つのストーリーを演じるのです。

オーソドックスなショーとは全く違った趣になりますが、そこはやっぱりショー。歌とダンス中心に進むのでお芝居とも違う味わいを楽しめるのが魅力です。

普段、ショーよりもお芝居が好きという方もストーリー仕立てのショーならば、物語にのめりこんで見やすいかもしれません。ぜひ、お試しを。

雪組 Music Revolution!

公演年 2019年
主な出演者  望海風斗 真彩希帆 彩風咲奈 凪七瑠海(専科)

音楽好きにはたまらない!

ショパンの「革命」など特にクラシックファンには有名な曲を、宝塚風にアレンジした曲が多く登場するショー。

音楽好きならば、どの曲がどんなアレンジになっているかを聞き比べながら見る、コアな楽しみ方もできる作品です。

また、トップスターの望海さんとトップ娘役の真彩さんは歌に定評があるトップコンビ。

2019年「FNSうたの夏まつり」でもディズニーの名曲などで素晴らしい歌声を披露されたのを、記憶されている方も多いでしょう。

もちろん、その美声はショーの中でも発揮されています。この作品ならば、クラシックをアレンジした、難曲をも歌いこなすシーンを堪能できますよ。

一方、ダンスシーンも充実。彩風咲奈さんが活躍するジャズや、2019年11月に花組に移籍予定の永久輝せあさんを中心にしたロックなど、男役スターの見せ所が多くあります。

全国ツアーにも期待!

宝塚大劇場での公演としてこのショーが上演されたのは2019年5月末から7月まで。東京宝塚劇場では7月から9月までの上演でした。

通常、宝塚大劇場と東京宝塚劇場で上演されたショー・芝居は新作であればそこで一区切りとなります。数年後の再演か、1度きりの上演になるかは分からないことがほとんどです。

しかし、このショーは2019年10月の全国ツアーでも上演されることになっています。

全国ツアーとは、全国各地で行われる公演のこと。普段は、長い時間をかけて兵庫か東京まで行かなければならないファンにとっては、近場で宝塚を楽しめる貴重な機会です。

出演人数が宝塚大劇場などでの公演に比べて減少するなどの事情で、ショーの内容に多少の改変が加えられることがあります。しかし、基本的なところに変更はありません。

宝塚大劇場と東京宝塚劇場で行われる、いわゆる「本公演」からあまり間を置かない、全国ツアーでの上演。

本公演からブラッシュアップされたショーを味わう楽しみもありますし、変更点を見つけるのも楽しみの1つです。

こちらの全国ツアー「FNSうたの夏まつり」でも話題になった、朝美絢さんが参加されます。トップコンビにはもちろん、旬のタカラジェンヌにも注目です。

星組 ESTRELLAS(エストレージャス)~星たち~

公演年 2019年

主な出演者 
本公演:紅ゆずる・綺咲愛里・七海ひろき・礼真琴
全国ツアー:礼真琴・音波みのり・愛月ひかる(専科)

紅・礼あなたはどっち派?

2019年10月上旬現在、星組のトップスターを務める紅ゆずるさんが本公演で、次期トップスターに内定している礼真琴さんが全国ツアーで上演されたショーです。

雪組のところでお話しした通り、ショーは出演人数の関係などで、本公演と全国ツアーとで内容が多少改変されることがあります。

このショーも全国ツアーだと繋ぎの場面が増えていたりと、若干の変更が施されています。また、本公演で退団者が出演していた場面は、当然違うタカラジェンヌが出演しています。

そんな細かい変更点はあるものの、やはり1番の違いは主演者。主演を務める方が変わると、印象が変わることを実感できるショーです。

紅さんで見るか、礼さんで見るか?迷うところですが、機会があればぜひ両方見てください。トップスターさんの持ち味の違いとはこういうことか!と実感できるでしょう。

パワーがほしい時に見たい1本!

本公演、全国ツアー両方に共通する見どころは中詰。花組の「Beautiful Garden」と同様、J-popが使われています。ORANGE RENGEの「チャンピオーネ」です。

「チャンピオーネ」に乗せて行われるのが、客席降り。出演しているタカラジェンヌたちが、客席まで降りてくる演出です。

この演出で客席も舞台も一体になって盛り上がるのがこの作品のハイライト。耳なじみのある曲にも助けられて、より一層気持ちが盛り上がるでしょう。

また、k-popを使ったダンスシーン「Back!」も見せ場。礼真琴さんを中心に、男役さんたちが激しいダンスで魅せてくれます。

見終わるころにはきっと、パワー全開!になるはずですよ。

宙組 NICE GUY!! -その男、Sによる法則-

公演年 2019年
主な出演者  真風涼帆 星風まどか 芹香斗亜

真風ファンは要チェック!

タイトルにある「S」とは、トップスター・真風涼帆さんのこと。

宝塚の舞台はトップスターさんが主役なのは当たり前なのですが、タイトルにまでちゃんと名前が入っているショーは珍しいです。

その分、トップスターの魅力を様々な角度から引き出しているのがこのショーの特徴。「あそこがいいよね!」とファン談議に花を咲かせるきっかけにもできるショーです。

もともとスーツが似合う真風さんの魅力が炸裂するシーンがあれば、長髪姿で妖艶に魅せるシーンもあり、ちょっぴりかわいい恋人同士の喧嘩シーンもあります。

月組「BADDY」のところでお話しした「一粒で何度もおいしい」オーソドックスなショーを、トップの魅力を深堀りする方向に進化させたショーといえるでしょう。

もちろん、真風さん以外の出演者も魅力的。

特に、芹香さん演じるヘタレな先生と、やんちゃな生徒・和希そらさんや留依蒔世さんらが登場するシーンは、元気いっぱいな宙組!を実感できるシーンです。

時間をおいて再演されるショーの魅力

このショー、初演はサブタイトルが「その男、Yによる法則」となっていました。2011年、当時の宙組トップが大空祐飛さんだったため「Y」だったのですね。

今回ご紹介した雪組や星組のショーは、初演から間もなく再演されたもの、されるものなのですが、この「NICE GUY」は実に8年の時を経ての再演となりました。

こうなると、長く宙組を見ているファンにとっては感慨深いもの。「あ~このシーンは、誰がやってたな!」と自然に、前の配役を思い出せてしまうものなのです。

それだけではありません。初演当時の組の状況と、今の組の状況を照らし合わせて組の成長ぶりを改めて感じられることもあります。

長く宙組ファンをされている方は当時を懐かしみながら、最近ファンになった方は組の歴史をちょこっと感じながら、楽しんでみてはいかがでしょう。

まとめ

外部のミュージカルとは少し趣が違うのが宝塚のショー。だからこそ、宝塚の魅力がたくさん詰まっているのがショーの特徴です。

ご贔屓にしたい組のショーから見るのもよし、自分が惹かれる要素がたくさんあるショーから見るもよし。ぜひピンと来たものから見て、ショーの魅力を満喫してください。

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