組・ジェンヌの魅力

真風涼帆さんの魅力

2019年現在、宙組でトップスターを務めるのが真風涼帆さん。宝塚を見始めたばかりだけれど、真風さんの魅力に釘づけ!というファンさんもいるでしょう。

では、真風さんの魅力とはどんなものでしょうか?

よく宝塚では「歌・芝居・ダンス」の技術が高いのが魅力といわれます。でも、それだけでは何か物足りない。その部分を埋める真風さんならではの魅力とはどんなものでしょう。

今回は真風涼帆さんの魅力に、ターニングポイントとなった舞台を通じて迫ります。

トップスター・真風涼帆さんの魅力

トップスターとしてのお披露目公演「天は赤い河のほとり」で真風さんが演じたのは、古代の王子・カイル。

一方「オーシャンズ11」では現代の詐欺師を演じ、博多座公演の「黒い瞳」では青年少尉を演じるなど、トップスター就任以来、幅広い役を演じています。

様々な役を与えられる中、いつどんな役を演じても真風さんが体現するのは「カッコいい大人の男の魅力」。

お芝居や歌の中に盛り込まれているちょっとした仕草にまで、大人のカッコよさや余裕を漂わせるのはお手の物。

でも、真風さんの底力は「立っているだけ」のシーンで発揮されるのではないでしょうか。

役として舞台に立っているだけなのに、もうカッコいい。魅力的な「男」がそこに存在していると思わせる、そこに真風さんの魅力が凝縮されているといえるでしょう。

そんな男役さんが、今までの宝塚人生で培ったスキルを発揮して歌い、踊り、芝居をしたらもう目が釘付け、ですよね。

宝塚の男役としてはちょっとアウトローかもしれない、オーシャンズの詐欺師も「危ないんだけど、スタイリッシュで素敵で目が離せない男」として魅力的に演じた真風さん。

今後は、どんな大人の男を見せてくれるのか?目が離せないトップスターさんです。

ターニングポイントとなった作品

『マイディアニューオリンズ』新人公演の「ジョイ・ビー」(2009年、星組)

当時の星組トップスター・安蘭けいさんとトップ娘役・遠野あすかさんの退団作品となった「マイディアニューオリンズ」。

ジャズの本場・ニューオリンズの歌手であるジョイと、事業家の愛人・ルルの恋物語を描く、とても大人っぽい雰囲気が漂う作品でした。

また、歌の名手でもあった安蘭けいさんに向けて作られた作品だったため、歌での見せ場もあったのが特徴です。

そんな作品の新人公演で初主演を飾ったのが真風さんでした。これが、真風さんの最初の大きなターニングポイントとなった公演です。

ちなみに新人公演というのは、入団後7年目までのジェンヌさんのみで宝塚大劇場・東京宝塚劇場で上演中の作品を上演する公演。

この公演で主役や主要メンバーを務めることは、スターへの足がかりともいわれる公演です。

真風さんが主演に抜擢されたのは、入団後3年目の時。

先にお話しした通り、上演作品はとても大人っぽいお芝居。そのため、入団5年目くらいのジェンヌさんが主演されてもおかしくない状況での抜擢でした。

しかも、相手役を務めたのは後に月組のトップ娘役に就任した蒼乃夕妃さん。真風さんよりも上級生でした。真風さんのプレッシャーは相当なものだったでしょうね。

そんな状況の中、真風さんは舞台のどこにいても目を引くスター性を発揮。また、見栄えする立ち姿という、今の魅力につながる持ち味をも見せていました。

「この子がどんなスターに成長するのか?」そんな期待を宝塚ファンに抱かせてくれたのです。

期待の新人登場!というトピックスは、いつでも宝塚ファンが待ち望んでいるものといっていいでしょう。

そんな話題を提供した「マイディアニューオリンズ」の新人公演は、真風さんにとって大きなターニングポイントの1つだったといえます。

『ロミオとジュリエット』の「死」(2010年・2013年、星組)

いわずと知れた、シェイクスピアの名作。宝塚版はフランスで作られたロック・ミュージカルに少し、手を加えたものになっています。

この作品の宝塚初演時と、2013年の星組再演時に真風さんが演じたのが「死」。

なんとも不吉な役名ですが、この作品にずっと付きまとう「死」を表現するため、要所要所に登場してくるダンサーです。

初演時には、ぞっとするような怖さと、なぜか目を引いてしまうカッコよさを見せて話題を呼んだ真風さん。

セリフも歌もないのについ、目が行ってしまう。これは真風さんが持つスター性と、確かなダンス力があるからこそなせる業ですね。

トップスターとなった今でも存分に発揮しているダンス力を、初めて客席に印象付けた貴重な役となりました。

また、同じ組で同じ作品を再演する際には、全く違った役をあてられることも多いのが宝塚。そんな中、2度目の「死」にチャレンジしています。

過去のアタリ役をもう1度演じるのは、真風さんにはプレッシャーがありつつも、役を深められる貴重な機会だったでしょう。

その機会を存分に生かして、初演時よりもパワーアップした存在感たっぷりの「死」を造形。こちらでも話題を集めたのです。

3年前と比較されるプレッシャーや注目もはねのけて、名演を見せたという点でも、この役は真風さんのターニングポイントになった役といえるでしょう。

『ランスロット』の「ランスロット」(2011年、星組)

宝塚大劇場に付属している劇場・バウホールで行われる公演を「バウ公演」と呼ぶことがあります。また、バウ公演での主演を「バウ主演」と呼ぶこともあります。

このバウ主演も下級生のスターへの足がかりとして注目されているもの。ごひいきのバウ主演が決まった!と喜ぶ光景は、下級生ファンだからこそ見られる光景かもしれません。

真風さんのファンにも、そんな光景を繰り広げる日がやってきたのが、真風さん入団6年目のことでした。

演目は「ランスロット」。アーサー王伝説をベースとした、騎士道精神に基づくドラマとラブストーリー、おとぎ話を融合させたお芝居です。

真風さんが演じたランスロットは騎士なので、黒いロングヘアに甲冑というたまらなくカッコいいビジュアルを堪能できるシーンもありました。

少し話がそれるかもしれませんが、宝塚でスターに求められるのが「華」と呼ばれるもの。

具体的な定義は定められていませんが、舞台を自分のカラーに染めるスキルや、押し出しの強さ、見ているだけで惹きよせられるような空気感をさすことが多いものです。

それこそ騎士が身に着ける甲冑など、最高に男っぽい衣装を身に着けていても、この「華」が感じられないと「あの子は華がないからスターは難しいかもね」と言われることも。

そんなスターの素質を試されるような場面も、この公演で難なくクリアした真風さん。この頃には、ほぼ間違いなくトップになるだろうといわれるスターさんに成長していました。

「ランスロット」は今の、役として立っているだけでカッコいいという魅力を爆発させた公演だったのですね。

また、公演を通して歌唱力がアップしたとの声も聞かれた公演。舞台の真ん中で主演として輝くスキルをまた1つ、磨いた公演にもなったのです。

組のトップスターさんが演じられている役を演じる新人公演の主演は、お手本がある勉強の場。トップスターさんからアドバイスをいただくこともできます。

対して、バウ公演はお手本のないところから自分で役を作り、客席への見せ方つまりアピールの仕方も自分で考える、実践色の強い勉強の場。

その貴重な機会を存分に生かして、真風さんはトップスターへの階段をまた1歩上がったのですね。

『エトワール ド タカラヅカ』の新人公演主演(2012年、星組)

お芝居の新人公演は、公演ごとに行われるのが定番。対して、ショーの新人公演が行われる機会は、現在珍しいこととなっています。

そんな貴重なショーの新人公演が行われたのが、「エトワール ド タカラヅカ」。

ここで真風さんは、ダンサーとして名を馳せていた柚希礼音さんが務められた役どころを数多くの場面で務めました。

幕開けから、大階段で華のある姿を見せて客席を魅了。

ポーズは決めているとはいえ、姿が見えるだけで客席をどよめかせる。そんなトップスターさんに匹敵するほどの華を披露した、大きなターニングポイントになったシーンです。

中詰は妖しい魅力を漂わせる「ナルシスノアール」。今にも続く大人っぽい魅力をふりまいて客席を魅了した、名シーンとなりました。

その他にも、男役さんが居並ぶ群舞やデュエットダンスなど、ショーの大切な要素を演じきった真風さん。

「いつトップになってもいいのでは?」という最上の賛辞を、ファンから集めることとなりました。

歌は安蘭けいさんから、ダンスは柚希礼音さんから学ぶという貴重なターニングポイントを得てきた真風さん。確実にそれらを自分自身のものにされてきたのですね。

まとめ

大人の男が持つカッコよさを何よりの魅力とするトップスター・真風涼帆さん。

宝塚の中で、スターへの足がかりとされる大きなターニングポイントの中で、スキルや華を磨くだけでなく、ご自身の魅力も磨き続けられてきたスターさんです。

また、話題作で印象的な役を演じただけでなく、再演でも同じ役を演じて成長を遂げてきたスターさんでもあります。

これからも、輝く魅力をさらに磨いてくれるはず!と期待が膨らみますね。

劇場に行った際には、ぜひ真風さんの大人の男の魅力を生で楽しんでください。

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