宝塚の舞台は、目と耳で楽しむもの。でも、それだけではないのです。
宝塚大劇場(以下「大劇場」と書きます。)と東京宝塚劇場では、その時々に上演された演目をイメージしたデザートが提供されています。
見る・聴くだけでなく、目と鼻と舌でも舞台の世界を味わえる公演デザートの魅力をお伝えします。
何が出るか・・・わくわく!
ゼリーや寒天などを使ったいわゆる「冷菓」がベースになることが多いのですが、お団子や焼き菓子などがお目見えすることも。
演目の舞台になる国をモチーフにしている時もあれば、演目の場面や登場する楽曲をモチーフにしている時もあり、切り口はどこかを探すのも楽しみです。
また、宝塚らしく華やかでかわいらしい盛り付けになっているのも特徴。
見るだけでテンションが上がりますし、思わず写真を撮りたくなる仕上がりになっているのも魅力の1つです。
公演デザートは宝塚のホームページで、どんなものが出るのかお知らせされるので、観劇前に知っておきたい方はチェックしておくとよいでしょう。
でも、事前情報ゼロの状態で劇場に行ってお店の前で「今回はこれなんだ!」と思うのも楽しいもの。
1度はそんな楽しみ方も、試してみてくださいね。
お味は果たして?
違う公演でいくつかのデザートを経験していますが、ハズレたと感じたことはありません。どれも老若男女、どんな方にも食べやすい味に仕上がっているなと感じています。
たとえばチョコレートプリン。濃く作ろうと思えば作れるものですが、わりとあっさりとした風味で、甘いものやチョコレートのくどさが苦手な方にも食べやすいと思いました。
やはり、様々な年代や性別の方が訪れる劇場で提供するものですから、万人に食べやすい、楽しみやすいものが出されていると感じています。
青色のゼリーなど、びっくりする見た目のものもありますが、味は大丈夫。決して、見た目だけにこだわっているわけではありません。
甘さも割と控えめなものが多いので、男性にもなじみやすいと思います。
また、多くのデザートが1層目はムース、2層目はゼリーというように様々な味を楽しめる工夫がされているのが特徴。
こちらを食べたらさわやかな酸味、あちらを食べたらまろやかな甘み、と1つでいろいろな味わいを楽しめるデザートが登場する公演が多いです。
大劇場と東京宝塚劇場では公演デザートが違う!?
宝塚の公演は基本的に、大劇場で上演された演目が少しインターバルを置いて、東京宝塚劇場で上演されるシステムです。
そのため、公演デザートも大劇場と東京宝塚劇場では同じものが出されそうなものですが、なんと2つの劇場では、異なるデザートが登場します。
どこが違うのかチェックして、気になる公演やデザートの時は両方味わってみてはいかがでしょう。
品数が変わる
1公演につき大劇場では2種類、東京宝塚劇場では1種類のデザートが提供されるのがオーソドックスなスタイルです。
例えば、星組の『GOD OF STARS -食聖-』『エクレール ブリアン』の際には、大劇場ではマンゴープリンをベースとしたデザートと、杏仁豆腐ベースのデザートが登場しました。
一方の東京宝塚劇場では、豆腐花をベースに和の要素も加えたデザート1品が登場しています。
お芝居の舞台にちなんで、アジアンスイーツをベースにしているのは共通項ですね。
このように、テーマは変わらないけれど品物の中身と品数が変わるので思わず「両方食べたい!」「東京のデザートも楽しみ!」となるのが公演デザートの魅力の1つでしょう。
ちなみに私は、大劇場では家族と違うデザートを1つずつ注文してシェアします。
大劇場でも東京宝塚劇場でも、必ず他にも食べたいものがあってお腹を空けておきたい、でも2種類とも公演デザートは食べたい!となるからです。
軽いゼリーやムースのデザートの時はぺろっと行けてしまいますが、ちょっと食べ応えのあるものの時は「シェアしてよかった!」となりますよ。
東京ではデザートの名前が「ひねられる?」
大劇場で提供されるデザートの名前は、わりと普通です。
「~のゼリー」というようにそのままなネーミングだったり、ショーを見慣れている宝塚ファンにはおなじみ、フランス語や英語を使ったネーミングがついています。
例えば前回の大劇場花組公演。演目は『A Fairy Tale -青い薔薇の精-』と『シャルム!』でした。
デザートは冷菓のカップデザートでチョコムースベースの「プティガーデン」とバニラやローズのムースを使った「フェアリーローズ」の2品。
ちょっとおしゃれなケーキ屋さんに並んでいそうなデザートの名前ですよね。
では2019年11月上旬現在、同じ演目を上演している東京宝塚劇場に行くとどうなるでしょうか。デザート自体は、ラズベリームースやパンナコッタを重ねたカップデザートです。
そのタイトルは「あ!ベリーて~るのシャルムース」となっています。
おわかりでしょうか?お芝居のタイトルをもじってある、早い話ダジャレが盛り込まれた名前になっているのです。
これは今回だけではありません。東京宝塚劇場で提供される公演デザートは、毎回ダジャレが盛り込まれた名前です。
ただ、演目そのものがもじられることもあれば、登場する楽曲の歌詞などがもじられることもあり、どこがもじられるかはわかりません。
前回の星組公演『エクレール ブリアン』のデザート名は「がぶり餡」でした。
宝塚ファンの中には、演目が発表になると、東京宝塚劇場の公演デザート名を予想するコアな方もいます。予想まではしなくても、どこがどのようにもじられているかちょっと楽しみになりませんか?
おいしい、かわいいだけでなくちょっとお笑いのスパイスも効いたデザートが東京宝塚劇場では楽しめるのです。
公演デザートを食べるおすすめの場所、タイミング
「え?そんなのあるの?」と思われた方もみえるでしょう。でも、ぜひチェックしてみてください。劇場や観劇をより楽しむコツも入っているんですよ。
おすすめの場所
大劇場ならば「フルール」がおすすめ。お土産屋さんなども立ち並ぶ劇場の建物に入ってすぐのところにあるカフェテリアです。
公演チケットの改札を抜けた後にある劇場のラウンジでも提供されていますが、30分前にならないと入れないのがちょっとネック。
観劇される人が1度に入る時間なので、開場直後に行くとごったがえしているし、様子見をしていても人が増えてくるし・・・となりがちです。
そのため、フルールで座席の開場時間よりも早く食べてしまったほうが、ゆっくりゆとりをもって楽しめます。
運がよければ、窓際の席も取れるので宝塚の景色を楽しみながら素敵なティータイムを過ごせると思いますよ。
一方東京宝塚劇場は、2階の「カフェドルポ」でのみ公演デザートを提供しているので、必然的にその周りで食べることになるかと思います。
ただ、可能であれば窓に近い場所で食べるのがおすすめ。
レム日比谷や日比谷シャンテなど、東京宝塚劇場に行ったら訪ねることも多いであろう場所を見ながら食べられるからです。
私は地方住まいなのですが、窓からそんな景色を眺めながら公演デザートを食べていると、否が応でも公演への期待が増して楽しいんですよ。
タイミングは「観劇前に!」
できれば「観劇前」に食べておくことをおすすめします。
理由の1つ目はやはり混雑。幕間にも公演デザートは提供されますが、売店やお手洗いに出る人たちの波にのまれると、気持ちが焦るものです。
また、自分も念のためにお手洗いに行っておきたい・・・などとなると、余計に余裕がなくて、ゆっくり味わえない可能性もありますよね。
せっかくの記念に写真も撮りたいとなったら、やっぱり余裕を持って食べておきたいものです。
私は大劇場ならば入り待ちをしたら劇場全体の開場時間とほぼ同時に入場。すぐにフルールで早めのおやつを食べて、ロビースペースや宝塚の殿堂の探索に出かけます。
観劇はもちろん、劇場内を思い切り楽しむためのいい時間になるんですよね。
紅茶やコーヒーなどの温かいドリンクも注文して一緒に楽しむと、朝イチからまったりとくつろいでパワー補給できますよ。
東京宝塚劇場の時はオリジナルグッズのショップ、キャトルレーヴが混まないうちにささっと見ておいて、2階に上がって公演デザートを入手ということが多いです。
いずれにせよ、何となく演目の内容はホームページや先に観劇された方のブログでわかるけれど、この味がイメージされる舞台ってどんななんだろう?と公演への期待が膨らみます。
また、先にデザートを食べておくと「この要素はここに出てくるのか!」と、舞台に出てくるキーワードや場面に反応できるかもしれません。
花組公演『カリスタの風に抱かれて』『宝塚幻想曲』の時のこと。カップデザートの中にオレンジが使われていました。
その数時間後に見たお芝居の冒頭に「オレンジ」という歌詞が出てきたんですよ。
おもわず幕間になってから、一緒に観劇した家族と「だからオレンジなのね!」と感激しちゃいました。
食べた人だけができる公演ならではの楽しみ方も、ぜひ体験なさってください。
まとめ
いつもとはちょっと違った公演の楽しみ方ができる、公演デザートはお芝居やショー同様、劇場でしか楽しめないものです。
ぜひ早めに劇場に行って、ゆったりとデザートの見た目も味も楽しんでみてください。そしていつも以上に公演を楽しみましょう!
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