組・ジェンヌの魅力

星風まどかさんの魅力

2019年現在、宙組でトップ娘役を務めるのが星風まどかさん。

宝塚の中でも最も若い組で、ヒロインを務める彼女の魅力とは、どんなものでしょう?

最近宝塚を見始めた、という方なら特に気になりますよね。また、星風さんの魅力に引き込まれてはいるけれど、具体的に魅力を語れないのがもどかしいという方もいるでしょう。

今回は星風まどかさんの魅力に迫ってみたいと思います。

彗星のごとく現れた100期のスター

宝塚は、2014年に100周年を迎えた歴史ある劇団。星風さんは、その記念すべき100期生として宝塚に入団しています。

入団時の成績は39人中3番目。押しも押されもせぬ優等生の1人だったのですね。

そんな星風さん、組回りの最中に名前のある役が付くというセンセーショナルな抜擢を受けます。

組回りとはその年入団したタカラジェンヌがいくつかのグループに分かれて、どこかしらの組の公演に出演することです。

入団したてのタカラジェンヌには、初舞台と呼ばれる全員揃っての口上やラインダンスを行う公演を終えた後、この組回りが行われる年があるのです。

口上やラインダンスくらいしか経験していないタカラジェンヌに何かしらの役が付くことなど、ほぼあり得ません。

しかし星風さんには、名前のある役が付いたのです。それも当時のトップスター・凰稀かなめさんの演じたグスタフⅢ世の少年時代という大役でした。

しかも入団7年目までのタカラジェンヌで上演される新人公演ではなく、トップスターとトップ娘役を中心に上演される「本公演」での抜擢なのですから、驚きますよね。

そんな異例の大抜擢にも応え、星風さんは少年時代のグスタフⅢ世を夢々しくも活発に演じ切ります。

誰も予想しえなかった抜擢、それだけで彗星のごとき登場をしたスターといえるでしょう。その抜擢に応えた星風さんは、まさに大型新人だったのです。

三拍子揃った娘役

センセーショナルな宝塚人生の幕開きを飾った星風さん。

その後も、順調にキャリアを重ねて、タカラジェンヌとしてのスキルを磨き、入団4年目にして組初めての生え抜きトップ娘役に就任しました。

宝塚でいう「生え抜き」とは入団して組配属された後、1度も組替えを経験することなく、スターになったタカラジェンヌを指す言葉。

宙組は他の4組から抜擢されたメンバーで創設され、その後トップスター・トップ娘役双方とも、生え抜きが生まれたことはなかったのです。

組創設から20年目にして、初の生え抜きトップ娘役になった星風さん。

初舞台からずっと、ドラマチックな宝塚人生を辿り、今や歌・ダンス・お芝居と三拍子揃ったトップ娘役へと成長を遂げました。

ここからは星風さんの歌・ダンス・お芝居それぞれに秘められた魅力を探ってみましょう。

星風さんが歌えるタカラジェンヌであることを印象付けたのは「王家に捧ぐ歌」の新人公演でしょう。

星風さんが演じたのは、ヒロインのアイーダ。初演でこの役を演じられたのが歌を武器にしていた元星組トップスター・安蘭けいさんだったこともあり、難曲揃いの役です。

しかし星風さんは、伸びやかな声を存分に発揮。特に「地声でここまで行けるか!」と思わせる歌唱は、観客に将来のスターへの予感を抱かせました。

その後、これまた難曲揃いのミュージカル「エリザベート」の新人公演でタイトルロールを演じるなど、歌の多い役や場面を与えられて歌う技術を磨いてきた星風さん。

宙組トップ娘役不在時の「クラシカルビジュー」ではラストのパレード前にソロで歌うエトワールを任されました。

この時は、トップ娘役就任が決まっていた頃。もうトップ娘役を任せても大丈夫とファンに言わしめる歌唱力を発揮して、大役就任後の活躍に期待を抱かせてくれました。

そして「WEST SIDE STORY」では「Tonight」でその魅力的な歌声を発揮。アイーダ役で話題になった伸びやかさに磨きをかけ、美しいメロディをさらに美しく聴かせてくれたのです。

その後も「シトラスの風」で初演から受け継がれている「ノスタルジア」の場面でも、オペラの名作ジャンニ・スキッキ「私のお父さん」を見事に歌い切ります。

高音域が何度も登場する難曲でありながら、ソフトで包み込むような声を駆使して青年貴族との恋の物語のプロローグを飾った星風さん。

今後はどんな曲で、私たちを舞台の世界に誘ってくれるかと楽しみになる名演だったといえるでしょう。

ダンス

場面ごとに雰囲気を変えた表情を見せられるのが、星風さんの強味。外見のイメージそのままのかわいらしいイメージはもちろん、カッコよさやセクシーさも見せてくれます。

「クラシカルビジュー」では「海底神殿」のシーンで男役たちを惑わすような強い姫を魅力的に踊って、ファンを驚かせました。

格闘系とも思えるような振りをビシっと決めるだけでなく、表情でも男役を圧倒するような強さを表現。

愛らしい外見とはちょっと違った表情も魅力的なことをアピールしてくれたのです。

また、スターへの足がかりの1つといわれるのが銀橋を少人数で渡ること。銀橋とは舞台からせり出すような形に作られた、細い通路状のステージのことです。

このショーの中で、星風さんは男役さんたちを引き連れて銀橋を渡る、という見せ場をクリア。ショースターとしての顔をアピールしました。

一方「VIVA!FESTA! inHAKATA」ではソーラン節も披露。はじける元気な姿も見せてくれました。

さらに、自分が芯となる娘役のみの群舞と男役さんが入るシーンとで、踊り方を変える離れ業も見せています。

ありとあらゆる色を見せられる星風さんのダンス。目が離せないですね。

お芝居

ダンス同様、振り幅の広さを感じさせてくれるのが星風さんのお芝居。

最初にその演技力を観客にアピールしたのは、いうまでもなく組回り時のグスタフⅢ世の子ども時代でしょう。

その後の大きなアピールポイントになった舞台といえば「エリザベート」の新人公演があげられます。

登場時は10代の少女、そこから晩年までを演じ切らなければならないのがエリザベート役の宿命であり、1番難しいところです。

そんな難役に星風さんが挑んだのは入団2年目の頃。新人公演でアイーダ役を経験していたとはいえ、まだ経験した舞台数も少ない2年目にこの役が与えられるとは、驚きですよね。

それでも芝居に長けた星風さんは見事なエリザベートを作り上げました。

10代のエリザベートはどこまでも愛らしく、そこから苦悩を抱える悲劇の王妃への道のりを感情の変化が手に取るように伝わる演技で演じ切ったのです。

その後のバウホール公演「相続人の肖像」では、大人っぽさや芯の強さまで感じさせるイザベルを好演。

続く「バレンシアの熱い花」では前作と全く違う、天然ボケの要素すらあるかわいらしい令嬢・マルガリータをひたすら可憐に造形します。

性格も外見も全く違うキャラクターをどれも魅力的に演じられる。これだけでも素晴らしいことです。

でも星風さんは、そこをクリアしたうえで1人の人間の中で揺れ動く感情を繊細に、リアルに演じられる点が強みと言えるでしょう。

そんな魅力が全開したのが「オーシャンズ11」のヒロイン・テス。

美人で活動的な現代の強い女性の部分を押し出すと思いきや、必死にキャリアを得ようとする部分やダニーに翻弄される部分も繊細に描いて、好評を博したのです。

舞台ごとだけでなく、場面ごとに万華鏡のような輝きを見せる星風さんのお芝居。今度は、どんな役で見られるか楽しみですね。

キュートで愛くるしい笑顔

星風さん=コアラ?!

相手役である宙組トップスター・真風涼帆さんが星風さんを動物に例えると、コアラなんだそうです。

目がクリクリっとして大きくて、輪郭もかわいらしい丸っこさを感じさせるフォルム。きっとそんなところからの連想なんでしょうね。

2017年にFNS歌謡祭に出演した際にも「美しい」という声とともに「かわいい」という声が多く聞かれ、話題を呼びました。

そんな「ザ・女の子」の星風さんの笑顔は、この上なくキュート。目を細めてにこ~っと笑うところに出くわしたら、こちらまで笑顔になってしまいます。

舞台だけでなく、楽屋の入り出の際や宝塚スカイステージで放送されるトーク系の番組でも見られる笑顔。たくさん拝んだら(?)幸せになれそうです。

星風さんは妹キャラ?!

グラフ誌で少し年上の役をやりたいと告白したら、真風さんや2番手スターの芹香斗亜さんにおばあちゃん設定のストーリーを考えられてしまった星風さん。

小さな妹のようにかまわずにはいられない、いわば妹キャラやいじられキャラが似合う雰囲気も星風さんの魅力の1つでしょう。

宝塚スカイステージのトーク系の番組でも、星風さんを見守る周りのジェンヌさんたちの視線はまるで兄や姉、保護者のよう。

舞台では大人の女性を演じることもある星風さんですが、素顔はつい守ってあげたいと思わせるオーラをまとう、かわいらしい女性といえそうです。

TOCCA×星風さん

ニューヨーク発祥のレディースブランド・TOCCA。星風さんは2018年にTOCCAがリリースした「カプセルコレクション」のイメージモデルに抜擢されました。

TOCCAのおしゃれなドレスを身にまとった、星風さんのビジュアルを目撃された方も多いのではないでしょうか。

そして2019年、今度は星風さん自身をイメージしてデザインされた「TOCCA 2019SS Copusel Collection」が登場。

娘役らしい、パステルカラーやお花をふんだんに使ったアイテムがラインナップされました。

大人っぽさと可憐さ、両方を兼ね備えた星風さんのビジュアルも素敵。星風さんの舞台とは違った魅力を引き出す抜擢となりました。

まとめ

歌・ダンス・お芝居と三拍子そろったトップ娘役、星風まどかさん。

舞台ではどんな役も自在にこなして私たちを魅了し、オフステージでも愛くるしい笑顔やキャラクターを見せて私たちを和ませてくれます。

今や、実力はトップ娘役として活躍する彼女も実はまだ入団5年目。これからの息の長い活躍にも期待したいところです。

今まで以上に、星風さんに注目していきましょう!

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