2019年10月、宝塚に新たなトップコンビが誕生しました。それが、礼真琴さんと舞空瞳さんの星組トップコンビです。
2人のプレお披露目公演となるのが、11月からスタートする『ロックオペラ モーツァルト』。今回はこの公演の概要や見どころについてご紹介しましょう。
公演の概要
まずは「ロックオペラ モーツァルト」がどんな作品なのかご紹介します。概要や日本での上演歴を知っていると、劇場にも足を向けやすくなるでしょう。
作品の概要
現代ではその名を知らぬ人はいないであろうほど、有名な作曲家の1人モーツァルト。
そんな彼が権力者やライバル、恋愛に翻弄されながらも、名曲を残してきた半生を描くミュージカルです。
日本では2013年に中川晃教さんと山本耕史さんの役替わり主演で初演が実現。人気を博しました。
今回は宝塚版なので、多少の演出変更はあると思います。でも題名に「ロックオペラ」とあるので、ロックを軸に描かれることは変わらないと考えられます。
クラシックの大作曲家であるモーツァルトの半生をロックに乗せて描くとは大胆ですが、それだけに新鮮味の強い作品が宝塚にやってきたといえるでしょう。
礼さん・舞空さんのフレッシュな星組新・トップコンビがこの作品をどう魅せてくれるのか期待が膨らみますね。
公演日程
今回の公演は宝塚大劇場や東京宝塚劇場ではない会場で行われます。まだこの2つの劇場以外で宝塚の公演を見たことがない方は十分ご注意ください。
- 大阪:梅田芸術劇場メインホール 2019年11月20日~27日まで
- 東京:東京建物 Brillia HALL(豊島区立芸術文化劇場)2019年12月3日~15日まで
東京会場のチケット前売りは11月3日開始予定です。
主な役どころ
ここでは、トップスターとトップ娘役の役どころと、主人公モーツァルトに敵対する役についてご紹介します。
ヴォルフガング・アマデウス・モーツァルト:礼真琴さん
主人公のモーツァルトを演じるのは星組新トップスター・礼真琴さんです。
少し話がそれますが、モーツァルトを描いた作品には東宝の製作で有名なミュージカル「モーツァルト!」があります。
こちらのモーツァルトは自分の才能そのものである「アマデ」との葛藤が深く描かれており、彼の繊細さやはかなさにクローズアップされた部分が大きい作品。
対して今回の「ロックオペラ モーツァルト」は権力を持つ人物や押さえつけの激しい周りに対する、反発心の強いモーツァルトが描かれているのが特徴です。
今までの日本人的な感覚からすると、ちょっと異色とも思えるモーツァルトに挑戦される礼さん。どんな一面がみられるか楽しみです。
コンスタンツェ:舞空瞳さん
東宝製作の「モーツァルト!」の中では、超がつくほどの奔放な悪妻として描かれるコンスタンツェ。
宝塚ですから外部の作品とは少し違った味付けで描かれるとは思いますが、どんな恋愛模様をモーツァルトと繰り広げるのか?楽しみなところです。
モーツァルトの初恋の人である自身の姉との関係性など、モーツァルト以外の人物との人間関係もどのように描かれるのか目が離せません。
アントニオ・サリエリ:凪七瑠海さん
専科から特別出演される凪七さんが演じるのは、モーツァルトのライバルというより敵役のアントニオ・サリエリです。
モーツァルトと同じ作曲家でありながら、彼の才能に嫉妬心を燃やしてことごとく彼の活動を妨害する役どころ。
2013年の日本初演版では、姿を偽ってモーツァルトにある依頼をする重要な役どころでもありました。
その役割が変更されているのか、そのまま適応されるのかといったところも見どころの1つかもしれません。
今のところ、ストーリーを大きく動かす重要な役割なので変更されないのでは?と思いますが、彼がモーツァルトをどんなふうに翻弄していくのか注目したい役どころです。
この他にも、モーツァルトを翻弄するコロレド大司教やモーツァルトの父・レオポルドや姉のナンネールなどが登場します。
また、コンスタンツェの母や姉妹も登場。複雑な人間模様が描かれる分、舞台に1度に登場されるジェンヌさんの数が多い可能性があると思っておくと良いでしょう。
ここが見どころ!
ここまででも少し、見どころをご紹介してきましたがもう少し見どころを深掘りしてみましょう。
”プレお披露目”公演!
冒頭から何度か出てきた”プレお披露目”、これって何?という方もいらっしゃるでしょう。
通常、トップスターやトップ娘役の”お披露目公演”とは、宝塚の本拠地・宝塚大劇場で行われる公演を指します。
あるジェンヌさんがトップスターやトップ娘役になって初めて宝塚大劇場の舞台に立つ公演をこう呼ぶのですね。
対して、”プレお披露目”公演は次の条件を満たした公演を指します。
1つ目の条件は、あるジェンヌさんがトップスターやトップ娘役になって初めての公演であること。
2つ目の条件は、その公演が宝塚大劇場でのお披露目公演に先駆けて行われる公演であること。
3つ目は宝塚大劇場や、東京宝塚劇場以外の場所で行われる公演であることです。
今回の『ロックオペラ モーツァルト』はこの条件をすべて満たしているので、”プレお披目”公演といえますね。
前回の星組公演のショー『エクレール・ブリアン』の中でも、礼さんと舞空さんがメインを務めた場面があったので、2人のカップリングは星組ファンならばすでに目にしているもの。
でも、トップコンビとしてお目見えするのは今回の公演が初めてになるわけですから、星組ファンやお2人のファンにとっては見逃せない公演になるでしょう。
1度しかない、新しいトップコンビのお披露目公演。トップが交代にならない限り発生しない公演ですから、特定のジェンヌさんのファンでない方にとってもレアな公演です。
「これから2人でトップとして頑張っていきます!」と宣言するようなシーンが含まれているかどうか、ぜひその目で確かめてください。
歌に注目!
礼真琴さんは下級生の頃から歌・ダンス・お芝居と三拍子そろった実力派ジェンヌとして有名。
また、相手役を務めることになった舞空瞳さんも2016年入団とまだまだ若手ながら、三拍子そろった実力派ジェンヌの1人です。
歌が多いミュージカルも安心して見られるトップコンビ。ロックミュージカルという、ちょっと特殊なジャンルのミュージカルが回ってきたのもうなずけますね。
2人それぞれのソロも楽しみですが、コンビで魅せてくれるデュエットも楽しみにしたいところです。
キャラクターに注目!
先に少しお話した通り、この作品はキャラクターが多いのも特徴。そしてそれぞれに、立場ならではの事情をはじめ、様々な事情を背負っています。
主人公であるモーツァルトを中心に見るだけでも十分楽しめるのですが、誰に共感できるか?を探しながら楽しむのもいいでしょう。
公演期間は大阪と東京それぞれ1週間程度と短いのですが、何度も見たくなる作品になりそうですね。
ちなみにモーツァルトやコンスタンツェはもちろん、コロレド大司教やサリエリも実在の人物。
そのあたりをちょっと調べてから見にいっても、見方が変わるかもしれません。
まとめ
三拍子揃った新トップコンビのプレお披露目公演『ロックミュージカル モーツァルト』。
宝塚では初演ということで、まだ公開されていない部分も大きいのですが、その分楽しみも増しますね。
作品の魅力も十分に味わいつつ、生まれたてのトップコンビの魅力を存分に味わえる公演になるはずです。
ぜひ、足を運んで生の舞台に酔いしれてみてはいかがでしょうか。